プロローグ

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渡部英隆

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ジジババが東ヨーロッパから帰って来た。「みやこうせい氏と行く東南中欧奥の細道ハプニングツアー」という10日間の旅だったが、とても感動的だったようだ。ポーランドのアウシュビッツ、ハンガリーでのアンナちゃんとの再会、そしてルーマニアの奥の細道ポイエム村やシーク村でのもてなしは格別だったようだ。数々のハプニングもあったそうで、ジジの筆ではとても語りつくせぬが、我輩が感想を交えて、皆様にその一部分だけでも感じてもらうことにしよう。
 まず、みや・こうせいとは何者か。ジジもババも旅行に行くまではまったく知らぬ人だったが、我輩の調べによると1937年生まれというからちょうど還暦だ。ジジババと同年代ということになる。雪国岩手県盛岡市の出身のエッセイストで、「羊と樅の木の歌」「ルーマニアの小さな村から」「森のかなたのミューズ達」など10数冊の著書がある。ルーマニアだけでも100回以上行っている東欧通で、ポイエム村やシーク村では全ての家々に行き、話し込み、地酒を飲み、歌を歌い、結婚式などに参加している。
ジジの話によると、白髪を肩までなびかせて、若者のようにさっそうと歩き、走りまわり、良く食べ、よく語るそうだ。その博学と洞察力、さらに記憶力たるや驚嘆させられたようだ。その一方で、ウイットから冗談まで次々と淀みなく語る御仁だという。欧州全ての言葉を解するようだ。くしゃみなら10ヶ国語くらいは楽にできるというようなジョークは除の口だそうだ。
最近フランス語で写真集を出し、現在パリの世界一大きい博物館で写真展をやっている最中であるが、ジジたちのために飛行機を乗りついでパリからやって来て、全行程案内してくれたのだった。
 奥さんはロシア文学者で翻訳などを手掛ているらしい。中学2年の男の子が東京にいるが、一年のうち父親が3分の2はヨーロッパにいるし、母親がロシアに3分の1は行っているというから、我輩よりは淋しい思いをしていることだろう。
そして全行程をガイドしてくれたのはオリビアさん。ルーマニア人で日本人以上に日本語がうまく、感覚も鋭い。日本語、ルーマニア語、英語、ロシア語などの他ネコ語も話す。ルーマニアのオードリー・ヘッブバーンといった美人だ。小さいときに日本に数年間滞在し日本舞踊も習ったそうだ。トロの寿司は世界一だといった。
そして運転手はタケさん。サッカーのジーコに似た、かっこいい、笑顔の素敵なルーマニア人で、日本語も随所に出てくる。全員そろったところでは、「ほな、出かけまひょう」と言った調子である。
こういう人達の案内で有意義な旅をしたのであるが、何回かにわたってその様子を綴ってみることにしよう。

 坊さまと東欧の旅彼岸かな

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